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2010年09月 アーカイブ

ターミナルケアについて 3

シェークスピアは、その劇のなかに「死は必然の終末」(necessary end)ということばを述べています。

人間は、生まれるということと死ぬということの二つを必ず経験するものです。

そのうちの生まれることは無意識のなかでおこなわれ、私たちは受け身の姿でこの世に誕生してきます。


しかし人生の末期の死は、その直前までは、人間の意識のなかで進行していくので、どう死を受け入れるかということはきわめて重要な問題になってきております。

動脈瘤の破裂のように、死が突発的に訪れて、意識が急になくなって死ぬという病気はきわめてまれなものです。

多くの病気は、急性症の場合でもかなりの間、死との闘いがあり、患者は医療陣の努力や科学の力を信じてなんとかこの死を乗り越えたいと希望的な見かたをして闘病する人が多いのです。

がんになった場合、欧米ではその90%内外は直接、間接、がんの告知をされるのが習慣になっていますが、日本ではまだがんの告知は10%以下にしかみられません。

ターミナルケアについて 4

そのようなことがありますので、日本入の患者の多くは死との対決を意識することが比較的少なく、あいまいな憶測のなかで死の進行を感じとる場合が多いようです。

しかしその場合でも、たとえ患者が医師であっても、なんとかこの困難を切り抜けられるのではないかという望みをもち、すこし症状が楽になったりすることがあると、病気の進行がとまるのではないかと希望的に感じる者が多くいます。


キュプラ・ロスというアメリカの精神科医は、死の告知をされた患者は時とともに微妙な心理的葛藤や不安が交錯し、次のような過程のあげく死を受容する者が多いといっています。

「がんの告知を受けた患者は、まずそれを否認しようとする。がんでないという医師をさがそうとする。ついで怒りの時期となり、あらゆることに憤りを感じる。次に取引きの気持ちとなり、死ぬまでにしたいことを実現する機会を望む。ついで、抑うつ状態となる。この時期をへて、あきらめて死を受容する気持ちになる」

キュプラ・ロスは、多くの死にゆく患者との面接から、以上の心境の変化の推移を公式化したのですが、これはアメリカ人の例です。

最期まで死に対する怒りや、また逆にあきらめ、さびしさ、不安などが続いて、ほんとうの意味で日本人では死を受容できる人は少ないと思います。

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